旧神岡町(岐阜) 大洞山(1348.6m) 2020年2月29日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:24 登山口−−7:39 990m肩−−9:16 大洞山 9:42−−10:16 990m肩−−10:49 登山口

場所岐阜県飛騨市(旧神岡町)
年月日2020年2月29日 日帰り
天候
山行種類一般登山〜雪山
交通手段マイカー
駐車場登山口近くの林道に駐車
登山道の有無少なくとも標高1000m付近まではあり。それ以上は積雪で不明だが目印は山頂まで続いていた
籔の有無少なくとも標高1000m付近までは無し。それ以上は積雪で不明
危険個所の有無無し
山頂の展望ブナ林で展望悪い
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント大洞山南東尾根から往復。意外にも夏道があり532m標高点近くが登山口。部分的には濃いとは言えないが、道のおかげで藪漕ぎ不要。麓ではほとんど雪は無かったが標高990m肩付近から積雪が増えて夏道が埋もれて見えなくなるが、その後も山頂まで目印が続く。新雪で雪の締りが無くワカンでのラッセルはきつくスノーシューを担げばよかったと後悔。山頂近くは霧氷と枝に乗った新雪で落葉したブナが真っ白で今シーズンで初めて冬らしい山だった




登山口前の倒木に塞がれた林道に駐車 登山口兼送電線巡視路入口
登山口の案内標識 すぐに送電鉄塔が登場
送電鉄塔の先もまともな道が続く 標高660m付近。ここで明瞭な尾根に乗る
標高750m付近の倒木。迂回した 標高790m付近の岩場「大洞天狗の岩棚」。登る必要はない
天狗の岩棚にはなぜか「少年よ大志を抱け」の標識も 標高830m付近
標高920m付近。倒木が処理されている 標高960m付近。徐々に雪が深くなる
標高960m付近から西を見ている 積雪が増えて標高990m肩でワカン装着
標高990m肩。この先は重い雪の激ラッセル 標高990m肩の標識
標高1060m付近の標識 姫小松が並んでいるからか
標高1130m付近の標識 でもまだブナは少ない
標識から少し登るとブナが増える 標高1180m付近の標識
標高1240m付近。霧氷が現れる 標高1300m付近。枝に雪が乗っている
標高1320m付近 山頂より僅かに北側が最高峰
大洞山山頂。積雪で三角点は見えない 山頂標識は高い位置にあった
ザックの上に座って休憩 下山になって太陽が顔を出した
往路の激ラッセル跡。帰りは大幅に楽ができた 雪から笹が顔を出す。山頂付近は笹らしい
標高1230m付近 標高1230m付近から見た乗鞍岳
標高990m肩から見た二十五山 標高930m付近。ほぼ雪無し
中央が先週登った観音山 神岡市街地を見下ろす
標高700m付近 登山口近くの送電鉄塔
登山口に到着


・今週末は太平洋側は低気圧の接近で雨、日本海側も北に行くほど低気圧の影響で雨や雪だが、その中間は雲の間で天気の崩れが小さいとの予報。先週は大雪に降られたが、今週は好天とはいかないまでも雨も雪も降られそうにない飛騨市に再び向かった。

・今回の目的地は大洞山。場所は神岡市街地のすぐ西側の山。東側を国道41号線が通っている。夏道があるとは思えないが、通常のこの時期の積雪量を把握しようと残雪期の記録を探したら、予想外に無雪期の記録を発見。それによるとグレードは低いが夏道があるとのこと。ただし山頂付近は笹に埋もれているとのこと。532m標高点付近が登山口で案内標識があるとのことで、今年は雪が少ないので夏道があると藪を回避できるのでありがたい。

・先週日曜は平湯温泉付近は道路も真っ白で吹雪いていたが、今週は路面に雪は無くほとんどの区間で路面が乾いていた。夜中の気温は安房トンネル付近でも-1℃と高めで比較的安心して車の運転が可能だった。安房トンネル付近の道路脇には除雪で積み上がった雪が残っているが、高度が下がると急激に残雪量が減少し、新平湯温泉付近では雪はほとんど見えなくなった。先週のように山には雪が残っていないかなぁ。

・地形図を見ると登山口まで車道が続いていてカーナビに従って国道から細い道に入る。周辺に人家は無く、緩斜面には現役の畑と放棄されて荒れた感じの畑が広がり、農作業用小屋と思われる建物がいくつかあった。そこを抜けると登山口の標識が登場。ここで林道がT字路になっていて、右に曲がった林道はすぐに倒木で車両通行不能になっていたのでその前に駐車した。

・翌朝、朝飯を食べてライト不要な明るさになってから出発。雪装備をどうするか悩んだが、周囲の残雪はほぼ皆無で山頂も大した積雪ではないだろうと予想して、スノーシューは止めてワカンとした。でも足元は長靴(笑) 柔らかい長靴とワカンは相性が悪いが積雪があった場合はつぼ足よりはマシだろう。でもおそらく出番はないだろうとこの時点では思っていた。

・登山口から広い道で驚いたが、これは登りはじめてすぐに出現する送電鉄塔まで。その先は道があるのか心配だったが、普通の登山道レベルの明瞭な道が薄い潅木藪の斜面に延びていた。ネットの記事は斜め読みだったが、これほどいい道とは感じなかった。まあ、道の印象は個人によって差があるだろうが。

・登山道は最初はまっすぐ登るのではなく左斜めに登っていき、標高660m付近から明瞭な尾根に乗って以降は尾根上を登っていく。普通は尾根に乗ると道が濃くなるのだが、ここでは逆に尾根に乗ってからの方が道が薄くなったように感じた。でも藪を回避するには充分な濃さだ。周囲は笹ではなく背が低く細い潅木藪だった。もし道が無くても歩ける程度の濃さだが、道があるのと無いのとでは歩き易さは雲泥の差だ。

・登山道には要所に手製の案内標識がある。標高790m付近の目立つ岩には「大洞天狗の岩棚」の標識と、なぜか「少年よ大志を抱け」の標識も。ちなみに登山道は岩の右側を巻いているので岩登りの必要はない。標高990m肩には比較的新しい「分岐点(標高1000m」)の標識と、登ってきた方向を指して「←梨ヶ根 神明神社」の標識があった。私が登ってきた道を指すものだろう。

・登山口からしばらくは雪が全く無く途中でワカンをデポしようかとも考えたが、これもトレーニングの一環と考えて担ぎ続けたが、これは大正解だった。標高970m付近まで高度を上げると急激に積雪量が増加し、場所によっては長靴の高さよりも深いところも。しかも雪の締りが無く踏み抜き連発で長靴に雪が入るので、足を置く周囲を広く踏み固めてから体重をかけるの繰り返しで進んだ。しかし時間がかかるし、この先は雪が続きそうなので990m肩でワカン装着。やはり柔らかい長靴には相性が悪く靴の安定性がイマイチだが、つぼ足よりは格段に歩きやすくなった。

・標高1060m付近には「町木 ヒメコ通り 標高1060m」の標識が登場。尾根上に生えているのが姫小松(五葉松)なのだろう。その先には「山毛欅の美林帯 1130m」の標識が登場。ここより下の植生はブナは少ないが、ここより上部は急激にブナが多くなる。この2つの標識に書かれた標高は非常に正確で、私がGPSで記録した軌跡から読み取れる標高と完全に一致していた。

・高度が上がると積雪量が増えると同時に重い雪でラッセルがきつくなり疲れた! ワカンでも常に脛まで潜り、今シーズン初ラッセルにしては条件が悪過ぎる。登山口から山頂まで標高差は約800mなので私の足なら雪が無ければ2時間程度だが、今回は3時間近くかかったことから雪質の悪さが分かるだろう。残雪期のような締まった雪は皆無で、つい最近積もったばかりの新雪だ。先週末の雪なら締まっていても良さそうだが、その後も再び雪が積もったらしい。高度が上がると木の枝に乗ったままの雪が見られるようになったので、昨日も降雪があったようだ。標高1240m以上では木の枝に長い霧氷が発達していた。今の気温は-2℃で南寄りの風がやや強いが霧氷は北向きに発達していたので、今とは逆の風向きで霧氷ができたということだ。

・積雪量は990m肩付近で20〜30cm程度だったが、高度があるに従って急激に増えて、途中からは地面が全く見えなくなり積雪量は不明。山頂ではもしかしたら1mくらいあったかもしれない。登山道の途中では小さな雪庇もできていた。雪が現れて以降は夏道の存在は分からなくなるが、目印の赤い荷造り紐はずっと山頂まで続いていた。もしかしたら私がネットで見た記録はいつ登ったものなのか知らないが、もしかしたら今は山頂まで夏道を整備したのかもしれない。

・地形的な要因なのか、山頂に近づくと風が弱まって体感温度が上がって助かる。今日は出発時の気温がプラスだったので使い捨てカイロを持ってこなかったが、今は-2℃で風が当たる場所では指先が冷えてカイロが欲しいところ。登山口と山頂でこれほど気温差があるのも珍しい。

・大洞山山頂は南北に長い平坦な尾根で明瞭なピークは見られない。それでも最高点と思われる場所より僅かに南に行ったところで山頂標識があった。山頂標識はかなり高い位置に取り付けられていて積雪期のものだろうか。ただし荷造り紐の目印は雪面付近で無雪期に付けられたのは間違いない。周囲は背の高いブナに覆われて展望がいいとは言い難いが、落葉シーズンならば全く見えないわけではない。北アルプス方面は雪雲がかかって山並みは見えなかった。風を避けられる場所で休憩。ワカンを脱いで長靴を脱いだら長靴に雪が結構入っていた。今回はスパッツも併用すべきだったなぁ。持ってきたけど登りでは使わなかったのは失敗。天気は回復して日差しが出てき体感温度を上げてくれた。

・帰りは往路を戻る。自分のトレースが無ければ下りでもラッセルがきつかっただろう。990m肩を下った地点でワカンを脱いでスパッツと共にザックの裏側へ。標高が下がると風も止んで直射日光で体感的には暑いくらいで半袖シャツ姿で車まで戻った。その後は日当たりのいい場所に車で移動して濡れた物を干した。

・帰宅後にネットで真面目に検索したら最近のものは比較的少なく、倒木が多かったり灌木がはみ出して初心者だと迷って途中で断念などの記録も見られた。2015年付近より古い記録では比較的道は良好との印象を受ける記録が多かったので、近年は以前より道が荒れているようだ。目印がたくさんあったのは道を整備したからと言うよりも、迷いやすいので目印を乱発したのだろう。葉が茂った時期は見通しが悪くなりルートが見えにくくなるので落葉したシーズンが適期と思われる。正直なところ、わざわざ雪がある時期に登るメリットは無さそうだが、花粉症の私にとってはこの時期に花粉が無いというだけで登るメリットが大きい。

 

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